2007年2月23日金曜日

『ニホンザルにおける母子相互交渉と子の社会的発達』




2007年2月23日
話題提供: 山田 一憲 先生(大阪大学大学院人間科学研究科)

『ニホンザルにおける母子相互交渉と子の社会的発達』
【要旨】生後初期のニホンザルの母子は、身体接触や授乳を通じて極めて密接な関係にある。しかし離乳期には、授乳を求める子ザルと、離乳を求める母ザルとの間に、葛藤が生じる。この離乳期において、子ザルは初めて、他個体との激しい利害の対立を経験する。前半では、乳首接触をめぐる母子の相互交渉を縦断的に調べることによって、子ザルが他個体(母ザル)との利害の対立に対処する能力をどのように獲得していくのかを検討した。後半では、青年期メスの毛づくろい交渉について調べた。一般に、ニホンザルの毛づくろい交渉は、母ザルとその娘の間でもっとも頻繁に生起する。メスのみなしごが行う毛づくろい交渉を、母ザルがいる個体の毛づくろい交渉と比較することによって、母ザルの不在がメスの社会的発達に与える影響を検討した。本発表を通して、子ザルの社会的発達には、母ザルとの関係性の中で展開される側面があることを示したい。

0 件のコメント: