2004年5月28日金曜日

『ギニア共和国ボッソウの野生チンパンジーの観察報告』

第7回 (2004年5月28日) 水野友有さん(京都大学霊長類研究所・思考言語分野) 『ギニア共和国ボッソウの野生チンパンジーの観察報告』
【紹介】話題提供者の水野友有さんは、滋賀県立大学人間文化学研究科において、この3月に博士号を取得されました。これまでは、京都大学霊長類研究所において、飼育下のチンパンジー母子を対象としたコミュニケーションを、ヒトの母子との比較から研究されてこられました。博士号取得後は、研究対象を野生チンパンジーの母子にも広げていらっしゃいます。次回は、水野さんがご自身の目でじっくり観察された野生チンパンジーの母子間コミュニケーションについて、ご報告いただく予定です。

2004年5月14日金曜日

『外国語(英語)学習者のジェスチャーが発話に与える影響』

第6回 (2004年5月14日) 松村早起子さん(滋賀県立大学大学院博士課程) 『外国語(英語)学習者のジェスチャーが発話に与える影響』
【要旨】言語産出とジェスチャーの関係について、近年その関係をモデル化する研究が、 de Ruiter(2000),Krauss et al.(2000), Kita&Oャzyuャrek(2003)によって報告された。それぞれが示すモデルは、Levelt(1989)の言語産出モデルを基に、ジェスチャー産出過程が加えられたモデルであり、ジェスチャーと言語産出がいつ、どのよ うに影響を与え合うかという点で、異なりを示している。しかしながら、全てに共通 して、ジェスチャーが言語産出に影響を与えることが記されている。 一方、英語教育の実践や研究におけるジェスチャーは、「指導内容」として扱う身振り言語の日英比較や、「指導方法」とするTPRなどが取り扱われてきた。しかし、 言語産出に直接影響を与える要因として言及されることは少ないように思われる。そ こで、ジェスチャーを交えて話すことが、言語産出に関わり、言語産出を促進することを示し、英語教育実践における身体表現の役割について再考を行う。