2008年1月18日金曜日

第28回こころとからだ研究会のご案内

「第28回こころとからだ研究会」を1月18日(金)に開催いたしますのでご案内申し上げます。

話題提供者は島田将喜さん(日本学術振興会特別研究員・滋賀県立大学)です。島田さんは、昨年の11月から約1か月間、ベルギーのブランケンダール動物園で、集団飼育のボノボの観察も実施されました。今回は、その内容もご紹介いただくようお願いしております。多くのみなさまの参加をお待ちしております。

なお、研究会の後には懇親会も予定しておりますので、こちらにも是非ご参加ください。

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●こころとからだ研究会(第28回)

日時:2008年1月18日(金) 16:30-18:30

場所:滋賀県立大学D4-203教室(人間文化学部棟2階)

話題提供: 島田将喜(日本学術振興会特別研究員・滋賀県立大学)

【演題】サルのコドモの「枝引きずり遊び」とヒトの子どもの「鬼ごっこ」の起源

【要旨】発表者はこれまで特に霊長類の遊び行動に着目した研究をおこなってきた。まず京都市嵐山に餌付けされたニホンザルの群れで頻繁に観察されるコドモの「物を伴った社会的遊び(Social Object Play =SOP)」に注目し、その構造的特徴を明らかにし、参与するコドモが発揮する認知的能力について考察した。さらにヒトの子どもの「鬼ごっこ」という遊び方が、人類普遍的(ヒューマン・ユニヴァーサル)であるという事実と、ニホンザルにおいても、「ゆとり」のある群れにおいては構造的に鬼ごっこに似たSOPが集団内で慣習化するという観察から、鬼ごっこの起源は、最近の出来事ではなく、はるかにヒトとサルの共通祖先の時代にまで遡る可能性があることを指摘した。こうした考察から、最近ではサルよりもヒトに近縁な類人猿におけるSOPがどのような特徴をもつのかを明らかにするプロジェクトを進めている。本発表では、嵐山で観察されたSOPの特徴を紹介し、ヒトの子どもの「鬼ごっこ起源論」が描く見取り図について考察する。
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