2004年6月18日金曜日

『母子間の抱きの人間科学的研究−ダイナミック・システムズ・アプローチの適用』

第8回 (2004年6月18日) 西條剛央さん(国立精神・神経センター精神保健研究所) 『母子間の抱きの人間科学的研究−ダイナミック・システムズ・アプローチの適用』
【要旨】博士論文をもとに,母子間の抱っこの研究を発表させていただきます。発達の初期において,授乳,なぐさめ,運搬,コミュニケーションといった行為はしばしば「抱き」を介して実行されます。したがって,抱きは母子という基本的2者関係において,様々な行動を媒介する重要なシステムといえるかと思います。こうした抱きという行為の重要性にも拘わらず,抱きに関連した研究においては,子どもを左右のどちらで抱くことが多いかといった左抱きの優位性に関する研究が多く見られますが「抱きとはどのような行為であるか」といった基本的かつ根本的な問題は検討されてきませんでした。申請者はこの根本的な問いを明らかにすべく以下のようなキーワードを基軸に,抱きの検討を重ねてきました。「遠心ム求心」,「縦断研究」,「自己組織化」,「ダイナミック・システムズ・アプローチ」,「間主観性」,「離抱」。当日は,博論の概要に加えて,特に総合議論において論じた,完了した事態に対して外部から記述してきた,これまでの行動研究の根本問題を議論していけたらと思います(『母子間の抱きの人間科学的研究』(北大路書房)のp116〜参照のほど)。

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