2004年11月5日金曜日

『自閉症児の社会的認知に関する発達認知神経科学的検討』

第14回 (2004年11月5日) 千住 淳先生(東京大学大学院総合文化研究科) 『自閉症児の社会的認知に関する発達認知神経科学的検討』
【要旨】自閉症とは、対人・社会行動に特異的な困難さを抱える発達障害であるが、その障害の認知的・発達的基盤についてはいまだ不明な点も多い。ゆえに、自閉症児が社会的な情報をどのように処理しているのかについての基礎的な研究を行うことは、自閉症でない、いわゆる「健常児」の社会性の発達について重要な知見を与えるだけでなく、自閉症の有効な診断法や臨床的、教育的介入法を開発するための基礎データを提供することにもなる。 そこで、報告者はこれまで、発達の初期から見られる社会的行動である「アイコンタクト」の認知的基盤について、自閉症児及び健常児を対象として実験心理学的、認知神経科学的研究を行ってきた。本公演では報告者のこれまでの研究を紹介し、社会性の発達やその障害の基盤について考察するとともに、今後の研究の可能性についても議論したい。

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