●こころとからだ研究会(第27回)
日時:2007年12月19日(水) 16:30-18:30
場所:滋賀県立大学D4-203教室(人間文化学部棟2階)
話題提供: 藤本麻里子(滋賀県立大学大学院人間文化学研究科生活文化学専攻人間関係研究部門博士後期課程)
『トングウェ語の社会言語学的調査に関するフィールドワーク報告』
2007年6月から9月にかけて、タンザニア連合共和国、キゴマ州で行なったトングウェ語の社会言語学的調査(財団法人日本科学協会笹川科学研究助成の補助による)について発表する。
タンザニアには約 130の部族が存在し、各部族は固有の言語を持つ。しかし1961年の独立後、アフリカ由来の言語であるスワヒリ語が国語とされ、国民の多くがスワヒリ語を話し、理解する。このような状況下で、部族語の中には若年層に継承されず、消滅の危機に瀕しているといわれる言語も数多い。発表者は多くの部族の人々が混在する、タンガニイカ湖畔の3つの村と、トングウェの人々のみからなる4つの小集落を訪れ、彼らの言語使用の実態を調査した。
調査は、インタビューによる意識調査、トングウェ語の語彙知識調査、民話・民謡の収集、自然会話の聞き取り、という4つの方法で行なった。多部族が混在する村と、トングウェのみによる集落では、日常的な言語使用に大きな違いがみられた。また、トングウェ語の民謡は60歳以上の高齢層からのみ収集できた。本発表では調査の概要、インタビューによる意識調査、会話中の言語切り替えについて発表し、トングウェ語の民謡についても紹介する予定である。
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