2008年2月29日金曜日

第29回こころとからだ研究会のお知らせ

●こころとからだ研究会(第29回)

日時:2008年2月29日(金) 16:30-18:30
場所:滋賀県立大学D4-203教室(人間文化学部棟2階)
話題提供:城 綾実氏(滋賀県立大学大学院人間文化学研究科)


【演題】マイクロ分析から分かる同期現象の組織化

【要旨】私たちはときおり,他者と同時に同じ言葉を発したり同じ身体動作をおこなう.コミュニケーション時に発生するこの現象を,ここでは同期現象と呼ぶことにする.今回の発表ではまず,先行研究との比較から同期現象が具体的にどのような現象を示しているのかを紹介する.次に,多人数会話において同期現象が達成されたいくつかの映像データから得られた結果を報告する.本研究は,「ターンテイキング(tern-taking)」「投射(可能性)(project(ability))」「権限(entitlement)」といった会話分析の概念をもとに分析している.ただし,本研究では発話だけでなく身体動作も対象としているため,発話と身体動作の相互作用がみられる一方で,発話とは異なる身体動作のコミュニケーションの側面もみられる.さらに多人数会話で同期現象を達成する参与者のマイクロ分析だけでなく,結果的にそれを見る役割になった参与者にも焦点を当てる.同期を達成する者と見ている者,それぞれの行為から,同期現象がどう組織化されているのかを考察する.